最初のスクール選びは慎重に
子どもたちが小学校へ入学すると、英語について聞かれることが本当に多くなりました。
「どこの英会話スクールに通っているの?」
「どうしてそんなに発音がいいの?」
「家ではどんな勉強をしているの?」
今のように小学校で英語が教科として定着している時代ではなく、当時は英語教育への関心が少しずつ高まってきた頃でした。
そのため、子どもが英語を話している姿を見ると、多くの保護者の方が興味を持ってくださったのです。
私は聞かれた方には、自分たちが通っているスクールをそのままお伝えしていました。
ただし、一つだけ必ず付け加えていたことがあります。
「このスクールが一番というわけではありません。まずは体験して、お子さんが『また行きたい』と言うかどうかを大切にしてください。」
これだけは毎回お話ししていました。

うちの子も英語が得意になってほしい
東京で20校近く見学した経験があったからこそ、「有名だから」「合格実績があるから」という理由だけでは、子どもに合うスクールかどうかは分からないことを実感していたからです。
実際に紹介したご家庭の中には、そのスクールへ入会された方が何組もいました。
そして、驚いたことに、その多くのお子さんが高校生になる頃には英検2級、あるいは小学校卒業までに英検3級を取得していました。
もちろん、全員が同じペースではありません。
英語が得意な子もいれば、ゆっくり成長する子もいます。
それでも共通していたのは、「英語が嫌いではない」ということでした。
スクールの日を楽しみにしている。
先生に会うのが楽しみ。
英語でゲームをするのが好き。
その気持ちが、長く続ける原動力になっていたように思います。
一方で、紹介したくても紹介できなかったご家庭もありました。
理由はさまざまです。

小さい時に英語スクールにいれたんだけどやめちゃったんだよね。
一番多かったのは、「以前、別の英会話スクールへ通わせたけれど、子どもが嫌がって辞めてしまった」というケースでした。
保護者の方は「もう一度挑戦してほしい」と思っています。
でも、お子さんの中では「英会話=つまらない」「英語=楽しくない」という印象が強く残ってしまっているのです。
「体験だけでも行ってみよう。」
そう声をかけても、「もう行きたくない。」と断られてしまう。
そんな話を何度も聞きました。
私はそのたびに、胸が痛みました。
子どもが悪いわけではありません。
保護者が悪いわけでもありません。
ただ、最初の出会いが、その子に合わなかっただけなのです。
だから私は、今でも「最初のスクール選びは慎重に」とお伝えしています。
英語教育は短距離走ではありません。
幼児期から高校生まで続く、長い長いマラソンです。
「10年後20年後も英語が好き」と思えることのほうが、ずっと大切だと感じています。
我が家でも、英検を急いだわけではありません。
実は上の子は、小学校4年生頃までジュニア英検すら受験していませんでした。
上を見れば上がいる、インターネット等を見ると、「小学2年生で英検3級」「小学5年生で準2級」
本当に天才レベルの小学生一年生で一級といった話も耳に入ります。
親として焦らなかったと言えば嘘になります。
「うちも受けさせたほうがいいのではないか。」
何度もそう思いました。
でも、スクールの先生は決して急がせませんでした。
「今は英語を好きでいることが一番大切ですよ。」
その言葉を信じて続けました。
結果として、上の子は小学6年生で英検2級に合格しました。
下の子も同じような流れで学び、それぞれのペースで力を伸ばしていきました。
ここで誤解していただきたくないのは、「小学6年生で英検2級が正解」ということではありません。
子どもの性格も違えば、生活環境も違います。
週に何回通えるか、家庭学習にどれくらい時間を取れるかも、それぞれ異なります。
だから、取得するタイミングを比べる必要はないと思っています。
私自身が見てきた中で感じた一つの目安としては、
・小学校卒業までに英検5級・4級を目指す子もいる。
・英語が得意な子や学習量が多い子は、小学校高学年で3級に届くこともある。
・3級は中学校卒業程度とされ、ライティングや二次試験もあるため、決して簡単な試験ではありません。
・2級になると高校卒業程度の内容が含まれ、長文読解や要約なども求められるため、一段と難易度が上がります。
だからこそ、一般的な家庭で、小学校卒業までに英検3級や2級へ到達した子どもたちは、本当に努力を積み重ねてきたのだと思います。
それでも、私は「級」だけを見て評価することはありません。
英検は、その時点での力を確認する一つの目標です。
それ以上でも、それ以下でもありません。
本当に大切なのは、その先も英語を学び続けたいと思えるかどうかです。
私たちが紹介したご家庭の子どもたちも、英検の結果以上に、「英語って面白い」「海外の人と話してみたい」と言っていた姿が印象に残っています。
そして、紹介できなかったご家庭から学んだこともあります。
それは、英語教育は「早く始めること」よりも、「楽しく続けられる環境を作ること」のほうが、ずっと重要だということです。
この連載では、我が家の成功だけではなく、迷ったこと、失敗したこと、そして周りのご家庭から学ばせていただいたことも含めて、ありのままを書いていきたいと思っています。
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